

仕込む
5月某日 この狭いスペースで人形3体を制作しました。 時間に追われたことから深夜作業も多く、たっぷり孤独を味わうことになります。 テレビではさまざまな職人さんの制作過程シーンを観ます。 紙漉き、漆器、精ちな民藝品とその制作者の横顔はどなたも寡黙、そうして内省的な...


復興地からのさそい
4月某日 県北沿岸の集会所で人形劇できますか。 はい、やります。 返事をしたはいいけれど、10分程にまとめるのは腐心でした。 盛り込みたいところをそぎ落とす、この工程が難しいのです。今も悩みは多く、 観てくれるみなさんが果たして楽しめるか。...


歯痛に似た…
その消息から遠ざかって生活していても、どういう事なのかご本人の声、横顔、しぐさや癖 といったものが時に30年は経っているのに鮮明なままでリフレインされることがありました。 また以前に親しんだ、自らの業をさらしてばく進する作家本のそれまで目立ってはいなかった...


うっかり
背後は急斜面の雑木林である。 きょうは陽気もよくてあたり一面の植物は春日和に輝いている。こういう日は獣も越冬の 実感を味わっているのだと思う。 鼻歌まじりの食物確保もあるだろう、日々是好日とはこの事ですね。 雑木林の山肌は云うまでもなく、地面にむきだした木の根と植物が困...


オエッのひと
憂うつな色というのがある。生活の中に点在する色でもある。 たとえば街の拡張にともなってふたをされてしまった河川など、もう下水扱いされている。 見たことはないけれど、いつの間にかひとの足元の下に暗渠されて憂うつに沈んでいるのと 思うとやるせない。...